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特集

織の共演
織楽浅野の帯と
本場奄美大島紬

本場奄美大島紬協同組合
創立120年おめでとうございます。


なごや帯 線描唐草
おおらかな線描の唐草文。帯幅に収まるのではなく、外へ広がっていくような動きを意識しました。


なごや帯 コプト文
4世紀、エジプトのキリスト教の影響が色濃いなか、綴織をベースにした織物をモチーフに。織生地は箔を底に打ち、変わり浮き地紋で織り上げました。

着物:本場奄美大島紬グランプリ受賞作
オオタニワタリ 前田紬工芸

なごや帯 ビンテージ
アート感あふれる抽象文様。角柱に色を塗り、転写してにじむような様をモチーフにしています。にじんでいく雰囲気を砂子たたきで微妙に織り上げました。


なごや帯 花石榴(はなざくろ)文
中世ヨーロッパで一世風靡した石榴文様。織表現に工夫をこらしワンポイントで織り上げています。

着物:本場奄美大島紬グランプリ受賞作
泥の舞 たけがわ織物

袋常 静默
なごや帯の「静黙」を袋帯に。 雪の降り積もった朝、ひんやりとした空気と音のない静黙の世界をイメージして作りました。上質感を求め、何色かの絹糸と銀糸を合わせ、綴織をアレンジ。織そのものがデザインとなります。配色が変わると雰囲気も変わり、落ち着いた色調に。


なごや帯 ロートアイアン
ヨーロッパは鉄と石の街。鉄細工の門や扉の装飾が数多くあります。そのような鉄をたたき表現した文様をモチーフにしています。段替わりで色を変えアクセントにすることで、リズム感あるデザインに仕上がりました。

着物:本場奄美大島紬
龍郷慕情パート1 牧絹織物

なごや帯 NASUKA
もとは20世紀初頭、アールデコの時代に本の装丁として用いられたモチーフをアレンジしました。タイトルのNASUKAはナスカの地上絵のイメージを感じ、命名されたもの。抑えた金銀がアクセントになっています。


なごや帯 ノイズ
伝統的な段、格子文様もデジタル感を持つと新しい感覚になります。緻密な織表情にモダンさを加え、織り上げました。

着物:本場奄美大島紬
ペイズリー田畑絹織物
2021本場奄美大島紬 グランプリ最優秀賞受賞作品
夢おりの郷 ダイヤモンド

本場奄美大島紬協同組合の創立120年の記念に『るると』編集部が仕入れた大島紬に、浅野裕尚氏が自身の帯をコーディネート。帯によって表情を変える無限の楽しみを紹介してくれました。
浅野氏は、すばらしい大島紬の上に帯を置いたり、腕を組んで考えたりなど、コーディネートを楽しみながら「伝統的な着物と帯が組み合わせによって、今の時代感覚になるのが面白い」とおっしゃいます。「帯の変化によってまた違う装いを楽しんでいただける余白残しの表現を、個人の思い思いのスタイルとして、さまざまな着こなしを楽しんでいただければと願います」と楽しそうにお話ししてくれました。

大島紬の伝統的な柄

  • 龍郷柄
    龍郷は奄美大島の地名。自生するソテツの葉を具象化した奄美大島を代表する伝統的なデ ザインは、根強い人気。

  • 秋名バラ柄
    秋名は奄美大島の地名。バラはザルの方言で、シンプルな幾何柄は、コーディネートもしやすいことから古くから人気の柄。

  • 西郷柄
    薩摩藩を追われた西郷隆盛が、奄美大島で愛加那という機織り娘と結ばれました。西郷柄は男物の最高峰の柄に付けられた伝統的な柄です。

大島紬の伝統的な染め

  • 泥染め
    絣の柄はさまざまですが、奄美大島紬といえば、泥染めが特徴の一つ。車輪梅で糸を染め泥田で媒染するという独自の染色法で、漆黒の色を求めるには、車輪梅で20回ほど染めては干して、染めては干してを繰り返し、その後泥田で媒染。この作業を4~5回繰り返すことで、深みのある焦げ茶や黒が生まれます。