特集
本場奄美大島紬協同組合の創立120年の記念に『るると』編集部が仕入れた大島紬に、浅野裕尚氏が自身の帯をコーディネート。帯によって表情を変える無限の楽しみを紹介してくれました。
浅野氏は、すばらしい大島紬の上に帯を置いたり、腕を組んで考えたりなど、コーディネートを楽しみながら「伝統的な着物と帯が組み合わせによって、今の時代感覚になるのが面白い」とおっしゃいます。「帯の変化によってまた違う装いを楽しんでいただける余白残しの表現を、個人の思い思いのスタイルとして、さまざまな着こなしを楽しんでいただければと願います」と楽しそうにお話ししてくれました。
龍郷柄
龍郷は奄美大島の地名。自生するソテツの葉を具象化した奄美大島を代表する伝統的なデ ザインは、根強い人気。
秋名バラ柄
秋名は奄美大島の地名。バラはザルの方言で、シンプルな幾何柄は、コーディネートもしやすいことから古くから人気の柄。
西郷柄
薩摩藩を追われた西郷隆盛が、奄美大島で愛加那という機織り娘と結ばれました。西郷柄は男物の最高峰の柄に付けられた伝統的な柄です。
泥染め
絣の柄はさまざまですが、奄美大島紬といえば、泥染めが特徴の一つ。車輪梅で糸を染め泥田で媒染するという独自の染色法で、漆黒の色を求めるには、車輪梅で20回ほど染めては干して、染めては干してを繰り返し、その後泥田で媒染。この作業を4~5回繰り返すことで、深みのある焦げ茶や黒が生まれます。