特集
大島紬などのおしゃれ着、カジュアル着物に金の糸を用いた帯や金箔などは「合わない」とされていますが、俗識にとらわれることなく、自由な発想で美しさの追求をすると、コーディネートの扉が一つ、開くような気がします。
なごや帯 印度花更紗
インドの染更紗を織で表現しています。線のもつニュアンスを大切にして、織物らしさも使いながら更紗の持つ楽しさを表現しています。
なごや帯 蔓花異文
上と同じくイタリアの壁紙をモチーフにしており、綴地風をベースに唐草を織り上げ、くくりとして金糸を使用し、軽やかなアクセントを 加えています。
単衣、夏帯には経糸、緯糸共に生糸を使用し、涼感を表現して、長絹と呼ばれる三越紹をベースにささら目をイメージした地模様を入れ、変化を加えています。
なごや帯 麗花華文
レースの丸紋です。ベネチアンレースの文様をモチーフに。地は墨濃淡に、レースのもつ繊細な表情を織で表現しています。中心を少し外してレース文様のお皿のようにデザインしています。
なごや帯 ツインアール
ぜんまいのような柄です。1930年代、アールデコの時代、暖炉に彫られた彫刻の飾りをモチーフに。シンプルな文様ほど、全体のテクスチャが大切です。
なごや帯 クリムトの箱
ぐるぐる渦の四角文様です。オーストリアを代表する画家、クリムトのぐるぐる渦巻を箱の中に取り入れました。彼は日本美術の影響を受けており、琳派の流水の影響が見て取れます。
なごや帯 シャイプール
立ち木が3本の柄です。インドのキャリコミュージアムコレクションの更紗文様をモチーフに。紬糸と漆調の黒金糸を用い、少しざっくりとした風合いで楽しんでもらえるような織り上がりです。樹木は生命の象徴で日本での吉祥文様にあたります。