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特集

羽織る悦び、重ねる楽しさ
羽織とコート大研究

写真:高屋コーポレーション  着付け:井上加代
ヘアメイク:深田麻莉  モデル:四位笙子、HIKARI、HINA
商品協力:近江屋株式会社、京都丸紅株式会社、和光株式会社

かつては防寒や雨除けのために重ねて身にまとっていましたが、
近年は、コーディネートを楽しみながら着用することも増えてきました。

秋から初春までのおしゃれをとびきり素敵に楽しくするために
また、春から夏も塵除けコートやレースの羽織をまとう人も増えてきて
素材次第とはいえ、通年のワードローブへと変化しています。

沢山の羽織やコートを見て、新調するも良し、
たんすの奥に眠っているお宝をリフォームするも良し。
この冬、羽織熱、コート熱が高まりそうな予感です。

防寒から
おしゃれへ

カジュアルで、エレガントな雰囲気を出すなら、薄い色の小紋など染物の羽織が最適。少し長めの丈で仕立てると女性らしさが際立ちます。膝下のふくらはぎあたりまでの丈になると少しレトロな大正ロマンの雰囲気にも。

着物:膝丈の小紋羽織
『るると』編集部私物

以前は着物のコートといえば道行きコートが一般的でしたが、昨今は衿の形や仕立て方が異なるいろいろなデザイン、素材も加わって、着物や帯を選ぶように楽しんであつらえることができるようになってきました。コートのおしゃれを楽しむならば、ポイントは四つです。

一、生地の素材
二、文様(地紋も含めた色柄)
三、衿の形、袖の形などのデザイン
四、丈

コートは、目的地に着いたら必ず脱ぐのがマナーですので、着物や帯ほど明確な第一礼装、正装、略礼装……などの明確なルールはありませんが、TPOは、その日の天候や、着物の素材や色柄に準じて判断して問題ないと思います。
羽織は、昭和10年代と40年代に2度ほど爆発的なブームがあリました。10年代から20年代は誰もが当たり前のように羽織っていました。30年代の後半から40年代にはPTAルックとして黒い羽織を羽織るのが当たり前で、総絞りの羽織も流行しました。
第三期ブームとまではいかないまでも、コートと違ってお茶室以外は室内で着用できることから、単衣羽織や紋紗やレースの羽織など、薄手の素材を楽しむ人も増えています。帯結びに不安か残る着付けビギナーにも心強いアイテムです。

カジュアルからソシアルな装いまで 象牙色に
アラベスク文様の小紋+

着るひと/四位笙子

紋紗袷の着物衿膝上丈コート


単衣に仕立てて透け感を楽しむことが多い塵除けの紋紗地を袷仕立てにしてモアレや質感を楽しむ軽くて着やすいコート。透けているのが分からないところがおしゃれ。

(『るると』編集部私物)
着るひと/四位笙子

ロールカラーショートコート


ゆったりとしたロールカラーと丸みのある袖が軽快でチュニック感覚のカジュアルな雰囲気。洋服風にアレンジされた角通しは地紋にも。動きやすくて軽いので 旅行や郊外敷策などにも。

(近江屋)
着るひと/四位笙子

レースの塵除け道中着


盛夏以外は一年中愛用できるので一枚は欲しい塵除けコート。少し透けるのが軽やかな枚は欲しい塵除けコ印象です。手持ちの着物の色柄の傾向で作っておけば、ヘビロテ間違いなしの便利アイテムです。

(近江屋)