特集
縞は粋過ぎて着こなしが難しいとか、自分には似合わないと敬遠している方もいらっしゃるかもしれません。
でも、小千谷縮の縞なら、シボの揺らぎ効果で優しくて柔らかい印象を与えてくれます。花火大会や夏祭りで、浴衣よりちょっぴり「きちんと感」を出したいとき、気軽なライブ、夏の女子会、旅行…と、 着用シーンが広がっています。
シワになりやすいのと同じくらい、シワをとりやすいのが小千谷縮のうれしいところ。バッグに水道水を入れたアトマイザー(スプレー容器)を忍ばせておいて、シワになったところにスプレーすればあっという間に乾いてシワが目立たなくなります。
洗えるからこそ、臆せずまとえる白地の絣。
夏の陽射しを感じながら一生物のお気に入りに袖を通せば、背筋がスッと伸びて大人の装いが凜と際立ちます。
観劇や音楽会、お食事会などに、小千谷縮が活躍する夏です。
雪中に糸となし、
雪中に織り、雪水に洒ぎ、
雪上に曝す。
雪ありて縮あり。
されば越後縮は
雪と人と気力相半ばして名産の名あり。
魚沼郡の雪は縮の親といふべし。
【現代語訳】
雪の中で糸をつくり、 雪の中で織り、
雪水で洗い清め、 雪の上で日に晒す。
雪があってこそ縮がある。
雪と人と気力があってはじめて名産品といえる。魚沼郡の雪は縮の親というべきものである。