Ruruto

特集

十一代目
岩井半四郎襲名
伝統芸能と着物

十一代目岩井半四郎プロデュース 四季折々の
風情を写して

四季の雅百花文様

三代目松井青々師と十一代目岩井半四郎のコラボレーションによって生まれた着物です。青々独特の「ふぶき」という技法で巧みに四季折々の花を浮かび上がらせています。
花々が重なり合う遠近の美しさ、花芯や葉脈にまで「たたき」を入れた松井青々師の技法が見事です。青々好みより抑えた色調は、半四郎好みといえるでしょう。
咲き競う百花に力強さを感じます。

着るひと/四位笙子

小袖映裂取文様


元禄小袖に多く見られる裂取文様を多彩使いせず、白地に浅紫と金彩、銀彩だけでシンプルに仕上げました。帯も着物の文様の木の葉にこだわり、焼箔を用いた羊歯葉文様の渋い輝きで抑えました。

紫山うつし朝露の花

加賀友禅作家 松島由美氏と十一代目岩井半四郎のコラボレーション。
藤重ねを思わせる、紫の濃淡のグラデーションの中に、くっきりと褐色で山の稜線を描き、そこに添えられた金水引や野紺菊、蓼菫などの、朝露に濡れたかれんんあ高山の小さな花たち。加賀友禅の華やかさとは異なる色使いが半四郎好みといえます。
力強くのびやかな作風の松島由美氏ならではの作品です。

着るひと/四位笙子

春秋絵巻 花小袖文様


長唄「春秋」をモチーフにした日本の四季の中、最も美しい春と秋を描いた作品です。春は胡粉の白色美で桜を描き、ところどころに珊瑚色・桜鼠・赤香色で花を浮き上がらせています。また胡粉の白で舞い散る花びらをあしらい、受ける秋は紅葉も極力紅色を抑え、逆に柳色から木賊色の紅葉を配し、深まりゆく秋を表わしています。
帯は、見事な柿朱色で時のうつろいを織り上げた唐織を合わせています。
着るひと/HIKARI

静かの舞い吉野桜


義太夫狂言「義経千本桜」の四段目「道之初音旅」を題材にした逸品です。
義経を恋い慕って桜が咲き誇る吉野山を旅する静午御前の美しくみ儚い風情をテーマにしました。グレーがかった桜鼠と胡粉で吉野の桜花を、茶墨でのびやかな枝振りを描き、蓬色や青緑で遠くの山脈を配しました。
桜花繚乱の華やかさと静御前の憂と哀しさとを重ね合わせた格調高い作品です。帯は着物を引き立たせるために白地の法隆寺華紋文様の落ち着いた唐織で、さらに品格を添えました。

十一代目岩井半四郎プロデュース 粋の極みを
品良く魅せる

着るひと/HIKARI

藍たたき染め
筋消縞絵羽小紋


結城袖の白生地にたたき染めを施しました。
筋消し縞文様を蝋で細かく伏せ、紫紺に近い藍にそめました。白く浮き上がったたたきの部分に結城袖の抑えた艶が浮き上がります。江戸の粋を感じさせる洒落た単衣です。
帯は変わり亀甲の軽い唐織を合わせて若々しく。
着るひと/四位笙子

濃紫玉虫霞文様


丹後ちりめんの中でもしっかりしぼのある綾涛の白生地を黒と見紛う濃紫に染め、撒糊と蝋たたきの技法を併用して霞文様を描き、巧みに空間を活かしてシンプルに仕上げました。
ポイントに玉虫色箔を使い風情を出しています。
帯は鉄色と鈍色のグレーの濃淡で上代裂うつしを織り上げ、シックに合わせています。