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特集

秋のおしゃれはときめいて
歌舞伎俳優六代目片岡愛之助
花布季

フラメンコを取り入れた斬新な歌舞伎

GOEMON石川五右衛門

<GOEMON 石川五右衛門あらすじ>
第三回システィーナ歌舞伎で、斬新な演出で話題になった演目。片岡愛之助丈演じる大泥棒の石川五右衛門が、歌舞伎の創始者出雲阿国(中村壱太郎丈)と出会うという斬新なストーリー。システィーナ礼拝堂を模して作られたホールの天井画。壁画をバックに宙乗りで五右衛門が飛ぶシーンは圧巻。フラメンコも見応えがあり、システィーナ歌舞伎での再演のみならず、その後大阪松竹座や新橋演舞場などでも再演される作品となりました。

天下に名をとどろかせる大泥棒の石川五右衛門がひそかに狙っているお宝がいくつかありますが、その一つ、「黄金の筆箱」をデザインした栃尾紬訪問着と、市松取りに吉祥柄の象徴であるまきの木を紙染めで表現した趣味性の高い栃尾紬染袋帯を合わせて通好みの装いに。

台詞回しが見どころのおなじみ

外郎売り

<外郎(ういろう)売りあらすじ>
アナウンサーや朗読、演劇の世界で台詞のお稽古をする早口言葉に用いられるのがこの外郎売りの台詞。ういろうは名古屋銘菓のあれかと思いきや、小田原名物のお薬のことで、薬売りの口上というわけです。さて実は曾我兄弟が父親の敵である工藤祐経を討たんとする仇討ちの物語。歌舞伎十八番成田屋のお家芸ですが、愛之助丈はこの長台詞を代役が決まってわずか4日で京都南座の舞台に立ったことで歌舞伎ファンのみならず多くの方々の感動を誘いました。

お話の舞台である初春の大磯の廓。段四郎の工藤祐経をはじめ曾我兄弟と、おなじみの人物が勢ぞろいをする場面。白地の訪問着をキャンバスにみたて、華やかな一幕を余すところなく表現した訪問着です。

連獅子

コロナ禍で公演中止が続く中、約五カ月ぶりに行われた昨年の「八月花形歌舞伎」は、四部制で役者も観客総入れ替え制という異例尽くめ。その第一幕を務めたのが、愛之助丈。中村壱太郎との息の合った親子連獅子に拍手が鳴り止みませんでした。

身替座禅

昨年九月の「大阪文化芸術フェス」の、歌舞伎特別公演では「身替座禅」で、初役で山蔭右京に挑戦しました。恋に酔う右京のはんなりとした色気と、旅先で懇意になった遊女花子会いたさで、いろいろと計を講じていそいそと出かける姿。結局は恐妻にばれるという、ハラハラドキドキ大笑いの舞台で、見事に愛すべき恐妻家を演じ切りました。