特集
外出制限がなくなった久しぶりの春。
お誘いも増えて、お出かけが忙しくなってきました。
お花見、観劇、同窓会、食事会…。
毎回、着物を選ぶのが面倒な人は
シンプルな地紋の色無地一枚でおしゃれの幅を広げてみませんか。
格とかTPOや季節感など、着物には考え出したらキリがないほど難しそうなルールがあります。実は基本ルールさえ覚えてしまえば「式」と名の付く正式な行事以外はさほど気にすることはないのですが、恥をかくのではないかと尻込みをしてしまうこともあります。でも、正式な外出ではなくおしゃれをして出かけるなら自分の好みやセンスを信じて好きな帯や小物を組み合わせてみませんか?
たくさんの色柄がある訪問着や紬よりも色無地のほうがコーディネートは簡単。お茶会ならば先生や先輩方に相談して教えていただくのが無難ですが、同窓会や食事会なら場所の格だけ確認してあとは自由に装うことができます。観劇やショッピングなどは、さらに自由に帯や小物を選んでいると、着物のオシャレが楽しくなってくるはずです。チョットした冒険や工夫も生まれてくるのが楽しいところ。失敗が少ない色無地で着物のおしゃれを楽しんでください。
母娘で同じ着物を着用することもできますので、たんすの前で二人で相談するのも楽しいですね。
このページでご紹介した色無地だけ、実は正確に言うと色無地の説明では、説明が付かないタイプの色無地です。それは「先染め」だからです。色無地は、白生地を黒以外の色に染めた無地の着物のことですので、後染めに属する着物のひとつです。ところが、このページの着物は先染めに属するのです。
先染めというと真っ先に思い浮かぶのが紬と御召ではないでしょうか。ところが紬でもなければ御召でもない。後染めの「柔らかもの」ではない、そこで第四の素材と呼ばれます。一番近いのは生糸(強撚糸)を使う御召ですが、こちらの素材は、八丁撚糸機という特別な機械を使った御召同様の強撚糸は使っているものの御召ほど緯糸を強く撚らないですし、従ってさほどシボを立てていないこと、一番は製造工程が違うことなどから便宜的に第四の素材と呼んでいるものです。
娘と二人で共用することもできる。