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強いシボによるシャリ感が人気の本塩沢は単衣素材の代表格で、愛用している人も多い着物ですが、加えて盛夏の越後上布、小千谷縮、十日町明石縮など新潟は夏素材の宝庫です。さらに米沢でも、地球温暖化に伴い、高温多湿の日本の夏に適した単衣、夏物に力を入れていて、魅力的な作品が次々に生まれています。
例えば、上の、紅花で有名なよねざわ新田の「優波」という作品は、涼やかな表現を求めて波を織り出していますが、一般的な
写真(上)の小千谷のくるまや工房の柿泥染は、もともと柿渋が水や汚れに強いこと、消臭効果があることなどから単衣、夏素材にピッタリで年々人気が高まっており、軽さ、涼しさも太鼓判の逸品です。
着物と帯:柿泥紬 高三織物
柿渋は抗菌、防臭効果も高く、水にも強いので日本では古くから和紙に塗って雨合羽にしたり、お風呂屋さんの脱衣カゴなどにも用いられてきました。
着物:十日町明石縮 吉澤織物
「セミのはね」といわれるほど薄く、強いシボで涼しさが増します。盛夏に最適な着物ですが、6月や9月に着用するなら襦袢の色を工夫して。