特集

長い夏を楽しむ
単衣・夏物アップデート

絹や麻、自宅で洗える素材の
上手な使い分け

左側
着物:絽地 伊勢型鮫小紋
帯:西陣紗袋帯 聖涼構成帯 玉繍

右側
着物:Original Color×千年の技
夏玉糸紬地 創作墨流し 山崎裕一作
帯:西陣九寸なごや帯 佐々木染織

ワンポイントアドバイス

絹などの自宅で洗うことのできない素材は、シーズンオフに近くの呉服屋さんで丸洗いや汗抜きをしてからたんすにしまいましょう。その時は目に見えなくても、汗が染み込んだ脇や膝やお端折り部分、皮脂が付いた衿などは、ワンシーズン保管した後で黄ばみや落ちにくいシミになって出てきます。汗やシミは付いてから早ければ早いほどきれいに落とすことができるため「もう、来シーズンまで着ない」というときに呉服屋さんへ持って行くのが、大切な着物を長く愛用するための大切なポイントです。

セオα

東レのポリエステルのクオリティーが上がっています。脱いだ後洗濯機にポーンと放り込んで、アイロン要らず。汗をかく季節に着用頻度の高い人や汗かきの人には欠かせないアイテムになってきました。

長襦袢と洗える着物で
暑さを乗り切る

着物の振りや袖口からほんの少しだけ見える長襦袢も、見えないところを大事にする着物のおしゃれでは重要なポイントです。夏は透ける着物との組み合わせで、さらに長襦袢のおしゃれを楽しむことができます。
おしゃれ物なら自分の体感に合わせて好きな物を着用しても良いとされる時代ですが、4月、5月の真夏日などに、真夏の着物を着用するのはチョット気が引けます。そんなときには濃地の長襦袢を着ると、着物の透け感がほとんど目立たなくなり、体感的には夏の着物ですから快適に過ごすことができます。
また、金魚の柄の長襦袢に波紋の紗の着物を重ねると、さながら池の中をのぞき込んだような微妙な透け加減で水の奥に金魚が見えるという趣向。まさに通好みのおしゃれです。
着用頻度が高い人、汗かきな人は、下着も襦袢も着物も洗えるほうがランニングコストが抑えられて良いかもしれません。「ポリエステルの着物は暑い」はひと昔前の話。素材の進化と共に、比較的快適な洗える着物が増えました。

今風衣替え参考表


結婚式などの正式な場所では、元来のルールに従ったほうが無難な場合もあります。主催者、会場の格、ドレスコードをよく確認してください。またお茶会などの場合は先生や先輩方に従ったほうが良いでしょう。その上で、おしゃれ着はご自分の体感に正直に夏の素材を上手につかいこなしましょう。同じ素材でも色によって、透け方によって印象が変わります。

  • リネン襦袢
    フランス ノルマンディー地方のリネンを使用した吸湿性、耐久性、抗菌性、速乾性に優れた襦袢。ヒンヤリとした肌触りが人気の秘密。
    5色展開

  • 爽竹長襦袢
    竹の裁維に東レのポリエステルを合わせた大人気シリーズ。消臭効果が高いので汗かきさんも安心。洗濯機で洗えます。
    色、柄多種展開。