2017/03/01
日本には四季があり、節季ごとに分かれて24もの美しい季節となり、それぞれの季節に日本ならではの、どこか懐かしく、ホッとさせてくれる風物詩や年中行事があります。それらを日本の伝統食でもある「巻き寿司」で表現!
お寿司で巡る日本の四季を愛でながら、巻き寿司づくりにもチャレンジしてみませんか?
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、
少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。
枕草子(清少納言)
春の夜明けの紫がかった雲がたなびいている様子は、荘厳で美しく、良き1日のスタートにパワーをくれると同時に、何かが始まる予感を秘めた、まさに春夏秋冬のスタートにふさわしい清々しさも感じさせてくれます。少しずつ長くなる昼間。そして少しずつ暖かさを感じられる頃。なんだか新しいことを始めたくなる季節になりました。春は心温まる楽しい年中行事も多いですね。
巻先生が今回作ってくださったのは、上巳の節旬と端午の節句の巻き寿司です。五節旬のうちの二つですが、「ひな祭り」と「こどもの日」というとピンとくる方も多いかもしれません。かつて「節旬」は「節供」と書きました。文字どおり神仏、あるいはご先祖様に「お供えをする」という意味ですが、この文字は、人々が一所に集まって、共に、同じものを飲食するというところから始まりました。家族や親戚と、また親しいお友だちとピクニックヘ出かけたり、子どもたちのお祝いに集まって楽しくテーブルを囲みたくなる、そんな春のしつらえです。
四海巻【材料】
白酢飯···100g 桃酢飯···50g 厚焼卵2cm角···1本 半切海苔···3枚
※半切海苔=10cm×19cm ※具材の長さ=10cm
☆桃酢飯は、おぼろ、桜でんぶ、赤シソなどを和えて作ります。今回はご飯ではなく魚肉ソーセージを使いました。
上巳の節句(雛祭り)
五節句のひとつで、平安時代の禊(みそぎ)の神事と宮中の雛遊びがいつの間にか一緒になって、それぞれの穢(けが)れを移した人形を川に流す「流し雛」となり、いつしか雛祭りとして今に受け継がれています。桃の花、雛人形、白酒、菱餅、ひなあられなどでお祝いをします。
お花見
農耕民族の日本には、古くから豊作を祈り、願う行事が広く根付いていました。お花見も、もともとは田んぼの神様が宿る木とされた桜に供え物をして豊作を祈り、村人が集まって桜の木の下で宴を催したことに始まります。現代でも桜の便りを聞くと、人々は集い、楽しみたくなるから不思議ですね。
端午の節句(こどもの日)
五節句のひとつで、昭和23年に国民の祝日になりました。菖蒲(しょうぶ)やよもぎを屋根や軒下につるして邪気を払ったり、菖蒲湯につかったりします。鯉のぼり、旗印を掲げたり、武者人形、兜(かぶと)などを飾り、ちまき、柏餅などを食べてお祝いをします。
卒業・入学
春は入卒の季節です。初々しい制服姿や、大きすぎるランドセルを背負う姿を微笑ましく眺めることも多いですね。人生の節目でもありますので、きちんと思い出深いものにしたいものです。
春のお彼岸
お墓参りをすると清々しい気持ちになります。陽射しも日ごとに力強さを増し、パワーとエネルギーが満ち満ちてくる頃。実は「彼岸」はサンスクリット語の「波羅密多」からきているのだとか!?ぼた餅は春の牡丹(ぼたん)にちなんでそう言いますので、秋の彼岸は萩(はぎ)から「おはぎ」と呼ぶのです。
巻真美(まきまみ)
飾り巻き寿司エンターティナー
東京都出身。海外在住経験から、和文化の大切さを再認識。寿司インストラクター協会(JSIA)にて最上級のマスターインストラクター資格を取得し、「はじめての飾り巻き寿司教室」を主宰。古典柄や人気キャラクター等300柄以上を提供。着物での英語スピーチ大会入賞や、ファッション誌のコンテストにファイナリスト出場するなど、イベントやメディアでも、トレードマークの着物に割烹着姿で巻き寿司を披露。
NHKテレビ「ひるまえほっと」、『ホンダマガジン』「クルマの巻き寿司」、『CLASSY.』「スクール特集」、『美ST』「国民的美魔女コンテスト」、『ケイコとマナブ』「講師インタビュー」、台湾テレビ「民視」、上毛新聞「お正月巻き寿司」、Beisia「ぐんまちゃん恵方巻」販売監修、NHK文化センター「国際交流祭in台北」、富澤商店デモンストレーション、デコ巻きデザインコンテスト「ミツカン賞」受賞他、留学生イベント、各メディア、企業コラボ、国際交流、コンテスト等で、国内外にて活躍。「まきまみ」で検索
着物大好き 巻先生 春の装い
桃色の格子の上前には桜の花の刺繍、麻地の帯には雛人形、菱餅カラーの小物づかいで春のウキウキした気分が一層明るく盛り上がります。