特集
リタイアしてしばらく経った頃、昔の仕事仲間と街でバッタリ会いました。自分のライフワークだった本を出すために頑張っていると聞いて、なんだか勇気と元気をもらったような気がして……。それで諦めかけていた語学の勉強と、昔習っていたピアノの練習を再び始めた私。そして圧巻は着付け教室。どうしても着物を一人で着られるようになりたかったけれど、思うばかりで何もできなかった。
若かった頃と違って、新しい何かを始めるなんてもう遅いと思っていたけれど、頑張っている知人に刺激を受けて、背中を押してもらったような気分。
そんな知人がついに夢をかなえて出版が実現。もちろんそのために誂えた一番のお気に入りの着物で駆けつけます。
家族が仕事関係の方からいただいたクラシックコンサートのチケット。外国のオーケストラのメンバーが、大きなコンサートを終えると、小さなグループになって全国を回るのだとか。中には別荘に招いてパーティをするお宅もあるそうです。今回はアンティークな雰囲気のレストランでのミニコンサート。ディナーも愉しみです。
何を着て行こうか、迷ったら着物。豪華な訪問着じゃなくても、すっきりと着物姿でまとめれば、豪華で華やかなドレスにも気後れすることはないし、ホールやレストランなど、冷房ガキツイところでも案外快適に過ごせそう。
着物や帯は畳んでしまうと四角くぺったんこです。とてもコンパクトになるのでドレスやスーツよりも大荷物にならないのがうれしい。小千谷縮は最高に軽いのでTシャツを持っていくような感覚で荷造りできます。麻なので着ていればもちろんシワは出ますが水で霧吹きをすればすぐに戻るので世話いらず。汚してしまったらホテルの部屋でそっと押し洗いをしてきものハンガーに下げておけば、一晩で完璧に乾きます。まさに旅の強い味方。持っていかない手はありません。
海でもリゾートでも1日遊んだ後のディナータイムはちょっとドレスアップしてセレブ気分でゆったりとしたひとときを過ごしたい。そんなとき、着物姿なら良い席に案内してもらえるし、サービスも良くなりそう。旅行が何倍も楽しくなります。