Ruruto

木内昌子の着物はじめ 第三回

2018/09/01

着物はじめ

高く、大きく、広がって、思わず見上げる、秋の空

秋の日はつるべ落とし。ふと気づくと夕暮れは瞬きのように通り過ぎて、澄んだ漆黒の空には明るい月が浮かんでいます。
シックな装いに身を包み、どこか遠くへ出かけてみたくなる季節。タッサーシルクで旅支度をしてみました。

出会いに感謝して生きていきたい

以前は花鳥風月の風情や洋花が描かれたモダンなものを好んでいましたが、自分の選んだものだとどうしても自分好みで範囲が限られてしまいます。スタイリストの方が選んでくださったり、プロの方のアドバイスをいただくと、新たな発見ができて、知らない自分との出会いを、驚いたり楽しんだりできるのも着物の良いところですね。
私は「出会い」にとても恵まれていて、出会いによって大きく羽ばたいているような気がするんです。デビューの頃は仕事をしていく上で強くありたい、男性とも張り合っていかなきゃいけないって肩に力が入っていたのですが、着物との出会いもあって、最近は女性らしく、女性にしかできないことを生かしつつ、内側から輝いているポジティブな自分でいたいなと思うようになりました。着物との出会いにも感謝です。
タッサーシルクの着物は「絹」という、とても高級で厳かな印象とは少しだけ違った親しみやすさを私に与えてくれました。肩の力を抜いて深呼吸をしてみると、どこかでキンモクセイの薫りがしました。先染めのタッサーシルクの無地はホッコリと暖かいのにとても軽くて動きやすくて、どこかオリエンタルが薫る帯で、自由に存分に着物を楽しんでしまいました。

着物:タッサーシルク無地(貴久樹)
帯:なごや帯(貴久樹)
小物:一式(近江屋株式会社)

 

着るひと 女優 木内 昌子

1997年「第1回ザ・ジャパン・オーディション」の合格をきっかけに芸能界入り。翌年、V6のComingCenturyが主演を務めたTBS系「PU-PU-PU-」にてヒロイン役でデビュー。映画「踊る大捜査線」、「GTO」、テレビ朝日系「はみだし刑事情熱系」では柴田恭兵の娘役にてブレイク。2004年にはフジテレビ系「女医・優-青空クリニック-」にて初主演を務めた。NHK「葵徳川三代」、「てるてる家族」、TBS系「砂時計」、「水戸黄門」、「ラブレター」、フジテレビ系「HERO」、「ウエディングプランナー」、「美しい罠」、テレビ朝日系「着信アリ」など。2011年からは香川県の観光大使「うどん県副知事」としても活躍しており、2016年6月には「かがわ21世紀大賞」を受賞。近年ではその演技力を活かした朗読劇を精力的に上演しており、nanamiという名前で歌手活動も行っている。