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加賀友禅作家作品コンテスト

加賀友禅作家作品コンテスト

~加賀友禅作家によるオリジナル作品の制作、全国投票ヘ~

森羅万象と私たちの暮らしを「美」でつなぐ「着物」は、時を経て日本人に愛されてきました。なかでも、卓越した写実性と豊かな想像力を携えた文様で、多くの人々に凛とした華やぎを与えてきたのが「加賀友禅」です。 思いがけない変化にみまわれた令和2年は、干支でいう「庚子」であり、「五行思想」では「新たな歩みの年」と位置付けられています。そんな折、十二人の加賀友禅作家が、新たな時代の到来に期待を込め、作品制作に挑みます。

今回は「五行思想」をテーマに、加賀友禅の作家12名によるオリジナル作品の全国投票を開催。気鋭の作家たちが、それぞれの視点で「五行思想」を捉え、その美意識と技量を競います。審査員は全国のきものファンの皆様。「木、火、土、金、水」の気配を忍ばせた、落ち着きがありつつも優美な世界を堪能していただき、皆様の感性に響く作品をお選びください。

理事長挨拶

理事長 佐々木英典
全国のきものファンの皆様こんにちは。
日本きものシステム協同組合理事長の佐々木と申します。日頃より和装文化を愛していただき誠に有難うございます。
今回の「加賀友禅作家作品コンテスト」は、私どもグループとして初めて開催させていただくWEBコンテストです。
選りすぐりの加賀友禅作家の先生方に依頼し、このコンテストのため特別に作品を創作していただきました。
全国の着物ユーザーの皆様から大いに注目を集めている本場加賀友禅。憧れの加賀友禅が揃い踏みするまさに夢の競演です。
個性豊かな作品の中から、貴方のお気に入りの一点を、どうぞお選びください。

作品一覧

(作家名50音順)
  1. 一川 忍「煌艶(こうえん)

    庭に自生し、積雪にも耐えて成長を続ける生命力あふれる松に何らかの作品要素を感じ取り、題材に選んで制作に至りました。
     松そのものの形が主張をする作品にするのではなく、五行思想の「土」に対応する地色の「黄」や、「木」に対応する「青」を松葉の彩色に多用するなど五行思想の持つ色彩の、相生と相剋の関係が主張する仕上がりを目指しました。試行錯誤の結果、フォーマルだけでなくソシアルまで気軽に着て楽しんでほしいという願いを込めてモダンな要素も加えました。お召しいただいた方が若々しく心が躍り、気持ちが明るくなって輝きが増すような着物になってくれたらうれしいなと願い制作をいたしました。

  2. 奥田 雅子「かがり火草」

    明治時代に日本に入ってきたシクラメンの原種はヨーロッパで「アルプスのすみれ」と呼ばれています。日本では、花の形から、「かがり火草」と名付けられました。今回のテーマ五行思想の「火」は人の心を表すものとされているところから想を得ました。
     花言葉の「内気なはにかみ」のとおり、控え目な姿で咲くシクラメン。古代イスラエルのソロモン王が、シクラメンに王冠のデザインにすることを告げたところ、頬を赤く染めてうつむいたという伝説があり、イスラエルではシクラメンは国花とされています。作品はシクラメンの花弁をモチーフとし、大きなボカシと細かな有職文様などを用いて、情熱を秘めた花の心を表現したものです。

  3. 柿本 結一「五彩」

    嵯峨菊と菊桃の花に五行思想が由来となる七夕の五色の短冊を組み合わせました。五色の短冊には、五行思想の季節の色と花を。春には青、夏には赤、秋には白(灰色)、冬には黒(紫)。ゆっくり移ろう季節の中でとりわけ早く過ぎる夏から秋のわずかな時を黄色い短冊で表現しました。
    短冊には、それぞれの季節の花を描きました。短冊が目立ち過ぎるのを短冊の地色で抑え、その上にのる嵯峨菊は白と黒を基調とし、バックの短冊と引き立て合うように彩色。地色はいろいろなシチュエーションでお召しいただけるよう優しい藤色で、目立ちすぎない中にも品の良い存在感のある調和を大切にした着姿を目指しました。

  4. 菊田 広幸「笹好み」

    壮大で難解な雰囲気のテーマに一瞬身構えましたが、「五つの事柄がお互いに影響しながら、万物が変化循環していく自然哲学の思想」が、加賀友禅の花鳥風月の世界観に通じているようにも感じられ、なにか自然の原点のようなものを表現したいと考えました。そこから竹がスムーズな流れでひらめき、創作に入りました。
    それこそ竹のみの構成で、スッキリと伸びる竹にきれいな色のたらし込みがきいた墨彩色の笹の葉で、パチッと映える濃い地色の着姿となりました。ご縁があって、この着物を見ていただいた方や着ていただいた方が楽しんでくれたり喜んでくれたりと、「五行思想」でくるくるとうまく回ってゆくことを想像している次第であります。

  5. 小林 喜代美「光る海」

    朝夕の海辺までの散歩の中で、四季折々に毎日違う表情を見せてくれる海の姿。ときに真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの沖縄の海や、幼い頃の海水浴の能登の海に思いを馳せ、富山湾の天目茶碗を思わせるようなホタルイカの明かりを思い出し……、そうして海からすべての生命が生まれたことを心に留めました。
    海の深さと広さが空につながる間と、光と影の表現を行い、あえて彩色にムラを出しました。波にはリズミカルな旋律が生まれるよう、シンプルな形象から想像して、裾から肩へを描くことで、お召しになる方が自由に着こなしを楽しめるようにしました。街中にも自然に溶け込む仕上がりになったと思います。

  6. 杉浦 伸「巡る」

    万物は、水・木・火・土・金の五元素の性質を持ち全てが影響し合う「相生関係」から成り自ら順に巡ります。向かい合う性質は互いを抑制・調整する「相克関係」にあるといわれ、「水」は「火」を消す力があるように勢いを調整し、抑制します。
    体の機能や心の状態も五元素に対応しているといわれています。
    例えば、「水」は冬で方向は北、色は黒といったように四季の変化も方向も色もまた五行の推移によって起こると考えられ、あらゆる物に五行は配当され、時刻や感情、気候までも記されているのです。「五行説」への恩恵感謝を思い、テーマ「五行思想」「巡る」を制作しました。

  7. 寺西 英樹「大地の営み」

    テーマに沿って自然の営みや動きを表現することにしました。
    メインの素材にブナを選び、その木に花が咲き実が成り、その実や葉が風によって運ばれ、次世代の命として続く模様を描き、風を吹かせることによって動きを与えました。
    風の表現は地染の時に、色、位置も含めて彩色の後に右肩上がりのそよ風のイメージを出しました。ブナの背景に低木の葉や花を三段に配することでモチーフの流れを作り、風で舞う葉を散らせて完成させました。奇抜さや大胆さよりは、上品さややさしさが求められているので上部の濃度を下部より薄くしてあります。お召しいただいたときに醸し出される上品さを楽しんでいただけたら幸いです。

  8. 本間 哲哉「円季彩」

    五行思想とは古代中国に端を発し、自然哲学の思想で、万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという説で、木は「春」の象徴、火は「夏」の象徴、土は「季節の変わり目」の象徴で、金は「秋」の象徴、水は「冬」の象徴と、四季の変化は五行の推移によって起こると考えられたということから、本作品は琳派の四季草花で表現いたしました。
     裂取り風の場の中に流水・萩・藤・ツタ・菊・桔梗・梅・菖蒲・紫陽花・ヤブコウジ・タンポポ・ワラビ・スミレ・ススキ・ミズアオイなどの四季を彩る草花を配し、着用時においてすっきりと見える構図にいたしました。

  9. 松島 由美「生成(セイセイ)

    本来の五行思想説の中には「5種類の元素が互いに影響し、生滅盛衰により循環をもたらす」と根底に存在する。私の感じるところでは、この地球そのものの根底は海であり、水(元素)である。
    地球を中心に考えた場合、もっとも初めに「水」次に「火」、又宇宙を中心とした場合は「火」→「土」となり、どれもが何らかの力が生じて、形を現わし、さらなる大きな輪を生じていると思います。
    どのような生物やものにも生滅盛衰があり始まりと終わりは平等に1度ずつやってくる。
    その始まりと終わりを決定づける思想はそれぞれの器の大きさと空想力だと信じて物事をすすめています。そして、今回の「生成」では「水。」「山。(土)(金)(木)」「光(火)」を結びつけシンプルで何かを(想って頂ける)感じて頂ける構図としました。

  10. 松田 風華「心躍る」

    「木、火、土、金、水」の私のイメージは、上品な華やかさがありながら華美過ぎないもの。図案はスッキリとした更紗模様で軽やかで若々しい図柄にしましたが、どう表現しようか、どのような色づかいにしようかと、悩ましくも楽しい時間が過ぎていく中、風に吹かれて揺れる木々の葉を眺め、風の流れを感じたりしながらこの感覚が「五行思想」なのではないかと思うようになりました。それからは、イメージが明確になっていきました。彩色はパープルからブルーで爽やかさを表現し、地色は自然界の木々の葉の間を吹き抜ける清々しい風の流れのように、明るいブルー寄りのペパーミントグリーンにパステルイエローのぼかしを入れました。

  11. 宮野 勇造「桐に流水」

    五行思想の五種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えが根底に存在しています。今回はこの五行の中の「木」と「水」に注目しました。
    中でもすごい生命力を持つ桐は、春は蕾が花となり葉をつけてそして実をつけ、割れた所から種が飛散してまた子孫を残す。厳しい四季の変化の中で桐はいつも大空に向かって立ちはだかっています。
    水は作品の中には流水として表現している。桐の生命の源とともいえる水は「木を育てる。」と書いてある通り木にとっても人間にとってもなくてはならないもの。地球上のものはすべて助け合いながら各々がそれを守り続けてこそ存在意義があるのかも知れない。

  12. 矢花 博呂美「季節を運ぶ風」

    公園や街路樹として身近に目にしているケヤキが、千数百年もの長い月日を生きて、巨木になって御神木として祀られています。その若木が、五月の光の中、風にそよいでいる様は、まさに五行説の「木・青い春」そのものだなあと見上げてしまいます。この風を運んでくるのは、もしかしたら、式神なのかしら……。式神が、白い鳥の姿をしていたらすてきだなあと思って描いてみました。風を表す白は、胡紛を塗り切ってしまうと、強い風になってしまいそうなので、筆でたたいて強弱をつけて。ちょっと、新しい工夫をしてみました。角度によって糸目上げの葉が、見え隠れする、おもしろい仕上がりになってくれたので、自分でもうれしく思っています。

投票者プレゼントPRESENT

投票者プレゼント 加賀友禅の半衿
加賀友禅の半衿 30名様

「加賀友禅作家作品コンテスト」要綱

投票締め切り
2020年10月31日(土)
結果発表
2020年11月中旬に、当ホームページ、Facebook、Instagram、Twitter上で発表します。
るると本誌内でも発表いたします。
投票者プレゼント
投票していただいた方の中から抽選で30名様に加賀友禅の半衿をプレゼント!
当選者の発表は、2020年12月中旬、プレゼントの発送をもってかえさせていただきます。
ご注意
投票はお一人様一票です。不正な投票、または不正とみなされる投票については、その分を得票数より削除いたします。
投票数の途中経過等のお問い合わせにはお答えできませんのでご了承ください。
利用規約に同意の上、投票をお願いします。
投票先
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