明治時代に日本に入ってきたシクラメンの原種はヨーロッパで「アルプスのすみれ」と呼ばれています。日本では、花の形から、「かがり火草」と名付けられました。今回のテーマ五行思想の「火」は人の心を表すものとされているところから想を得ました。
花言葉の「内気なはにかみ」のとおり、控え目な姿で咲くシクラメン。古代イスラエルのソロモン王が、シクラメンに王冠のデザインにすることを告げたところ、頬を赤く染めてうつむいたという伝説があり、イスラエルではシクラメンは国花とされています。作品はシクラメンの花弁をモチーフとし、大きなボカシと細かな有職文様などを用いて、情熱を秘めた花の心を表現したものです。