特集
商品協力/小川屋 紀久屋 望幸
撮影/タカヤコーポレーション
着付け/羽尻千浩
ヘアメイク/添田麻莉
モデル/JKS専属ドリームエンジェル IKO CHIZURU
ロケ地/京都梅小路公園
生まれた日のこと、小さな手で、指をギュッと握ってくれた
そのやわらかい感触まで昨日のことのように覚えています。
優しい子に育ってくれてありがとう。
誰がなんと言おうと自慢の娘です。
日本が世界に誇る職人の
匠の技が光る振袖で迎える撮影会や式典など。
これからの人生が一層輝きますようにと願いを込めて。
絞り染めは、正倉院に伝わる夾纈、﨟纈と並び、
古代三大技法の一つで、纐纈と呼ばれ、幾度も
奢侈禁止令が出されたほど最高に贅沢なものでした。
絞りの発生は紀元前にさかのぼります。世界の各地で自然発生的に誕生しました。その中でも日本の絞り染めは最も複雑で技法が多く、本疋田絞り、一目絞り、杢目絞り、帽子絞りと数えていけば百を超える技法がありました。一子相伝で伝えられてきたためすでに消えてしまった技法もあります。
中でも「藤娘きぬたや」の作品は、図案や色へのこだわりはもちろんのこと、絞りと絞りの間の「地落ち」と呼ばれる無地の部分にまでこだわり尽くす妥協のない仕事に長く定評があります。たった一本の無地の線が醸し出す無限の広がりや躍動感、生命力までも表現する約65万超の小さな粒。その絞りと染めに耐えられる美しい布の堅牢さ。代々の家宝になり得る堂々たる芸術作品をまとう誇りを感じることができます。
藤娘きぬたやの作品は、世界的に評価が高く、ニューヨークのメトロポリタン美術館にも収蔵されています。
独特な桶絞りの技法は、大胆な色の染め分けと、その際に残るかすかな揺らぎが魅力です。
染めたくない部分を桶の中に入れ、蓋を閉め、釘で完全に密閉します。桶ごとグラグラと煮えた90度超の染料の中に放り込み、桶から出ている部分の生地を染めるというダイナミックで独特な技法。湯気で曇った工房から生まれる個性的な振袖は他に類を見ない芸術作品です。