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2024/11/29

季節ごとのイベントに合わせた着物の選び方・着方をマスターして着物ライフを楽しもう

季節ごとの着物選びで四季を楽しむ

日本の四季に合わせて着物を選ぶ、着るということは、その季節の美しさを最大限に引き出す贅沢な体験です。春の華やかさ、夏の涼しさ、冬の涼しさ、秋の涼しさ、温もり。異なる美意識が詰まった着物を身に着けまとうことで、自然との調和を感じながら、自分の個性を出すことができます。 季節ごとのイベントに合わせた着物の選び方と着こなし方について詳しくご説明させて頂きます。この特別なスタイルで四季を楽しんでみてはいかがですか?

 

着物は季節ごとに3種類を着分けるのがルール
着物は裏地の有無や仕立て方によって袷(あわせ)、単衣(ひとえ)、薄物(うすもの)・夏着物の三種類に分けられます。
この三種類は暦の上で着る時期の目安が決められており、その季節に合ったものを着分けるのが着物のルールです。

袷(あわせ) 10月~5月
胴裏・袖裏・裾回しなどの部分に裏地を付けて仕立てる袷(あわせ)は10月~5月に着る着物とされており、春・秋・冬の3シーズンで着用できます。
3種類の着物のなかで着用できる期間も長く、最も着る機会の多い着物です。袷は裏地が付いているため丈夫で重厚感があり写真映えもするので、自分用に着物を仕立てる際の1着目として選ばれることが多くなっています。
10月〜5月頃と時期を定めているものの、夏の暑い時期でも室内にいる時間が長い場合は袷を着る方もいるため、オールシーズン着用できる1着です。

・単衣(単衣) 6月9月
気温が上がり始める6月やまだ暑さの残る9月には、裏地を付けずに仕立てられた単衣(ひとえ)を着ます。

単衣は裏地が付かない点は袷とは異なりますが、着物の表地には袷と同じ生地を使って仕立てるので生地が透けるほどの薄さはなく、裏地が付いていない分、軽やかな着心地です。

基本的には、春から夏もしくは夏から秋など季節の変わり目に着用しますが、着用時期の目安を決めた時代と比べると現代は気温も大きく変わっているため、5月や10月に着ることもあります。

単衣を着る場合、帯や帯揚げなどの小物類は袷と同じものを使用する場合が多いです。

・薄物(うすもの)・夏着物 7月8月
気温の高い日が続く7月や8月には、縦糸と横糸の密度を粗くすることで風通しを良くした生地で仕立てる薄物や夏用着物を着用します。

裏地を付けずに仕立てる点では単衣と同じですが、薄物や夏用着物の表地には絽(ろ)・紗(しゃ)・羅(ら)と呼ばれる生地を使用することが多く、単衣と比べると透け感が出るのが特徴です。

また、夏に着る着物として連想するものに浴衣がありますが、カジュアル着である浴衣はフォーマル着である薄物・夏用着物とは格式が異なります。

薄物・夏用着物を着用する際には、帯や帯揚げなどの小物類は袷・単衣とは異なり、薄物専用のものを合わせるのが一般的です。

 

春(3月〜5月)

春は新しい生命が芽生える季節であり、着物の色や柄にもその季節感を反映させることが重要です。淡いピンクやクリーム色、若草色などの明るく柔らかい色が好まれ、桜や梅、水仙などの花柄が特に人気です。素材としては、袷(あわせ)や単衣(ひとえ)が一般的で、春先の肌寒さには袷を、気温が上昇するにつれて単衣に切り替えることが推奨されます。
また卒業式や入学式など、人生の節目に関わる行事が多いので、フォーマルな着物を選ぶこともあります。

春におすすめの着物と柄
春には、柔らかいピンクや薄紫、若草色などの明るく柔らかい色合いが人気です。また、桜や梅、藤といった春を象徴する花々の柄がよく使われます。自然の美しさをそのまま纏う感覚を楽しめます。

着方のポイント
春はまだ冷える日も多いので、羽織を着ることで調節が可能です。 特に早春のイベントでは、少し暖かい素材を選ぶことで快適に過ごせます。帯揚げや帯締めなどの小物で春の明るいカラーを取り入れると、全体のバランスが華やかになります。

春におすすめの着物と柄


夏(6月〜8月)
夏は高温多湿なため、涼しさを重視した着物選びが必要です。薄物(うすもの)や単衣を選び、絽(ろ)や紗(しゃ)、麻などの透け感のある素材が使われます。これらの素材は通気性が良く、見た目にも涼しげです。夏らしい柄としては、水や竹、魚などの涼しさを感じさせるデザインが好まれます。
花火大会など、外で過ごすイベントが多いため、動きやすさと快適さが求められます。
夏におすすめの着物と柄
夏には、白や淡い青、薄緑などの涼しげな色が人気です。柄としては、水面や金魚、花火など、夏を連想させるモチーフがよく用いられます。デザインの豊富さで自分らしさを表現できるのも魅力です。

着方のポイント
暑い夏には、涼しさを感じさせる方が大切です。例えば、襟元を少しゆったりさせて、風通しをよくするのも一つの方法です。また、帯も軽く結ぶことで、動きやすくなります。足元は草履(ぞうり)や下駄(げた)を合わせて、風情のある夏らしいスタイルに仕上げましょう。

夏におすすめの着物と柄

春におすすめの浴衣の単衣の素材

秋(9月〜11月)

秋は色味が豊かになる季節であり、深い色合いや落ち着いた柄が適しています。紅葉や菊、葡萄などのモチーフが人気で、これらの柄は着物や帯に取り入れることで一層季節感が増します。素材としては、袷が一般的で、温かみのある素材が好まれます。この季節は、お月見や紅葉狩り、結婚式などのイベントが多く、少しフォーマルな着物を選ぶ機会がもっとあるかも知れません。

秋におすすめの着物と柄
秋には、深紅や茶色、緑など、紅葉や大地を感じさせる色が多く使われます。柄も、紅葉や菊、栗など秋の自然をモチーフにしたものが多く、着物全体に秋の静けさ、特に訪問着や色無地は、格式あるシーンでも活躍する着物であり、上品さを演出できます。

着方のポイント
秋は涼しい風が吹き始めるため、少し手の厚い素材や裏地付きの着物が適しています。 秋らしい素材の帯留めや帯締めを使って、さらに季節感を強調できます。

秋におすすめの着物と柄

冬(12月〜2月)

冬は寒さ対策が重要であり、袷を選ぶことが基本です。袷は裏地がついており、防寒性に優れています。冬には渋みのある色合いや寒牡丹などの冬らしい柄を選ぶと良いでしょう。また、防寒具として羽織やコートを合わせることも一般的です。
新年の挨拶や初詣、成人式など、冬ならではのイベントに合わせて着物を選ぶことが多くなります。振袖や黒留袖など、格式ある着物を着る機会も多いです。

冬におすすめの着物と柄
冬には、赤深や濃紺、黒っぽい色合いが人気です。柄としては、雪の結晶や松、竹など、冬の自然をモチーフにしたものが用いられます。金銀の装飾が施されたものもある冬の着物には多く、特別なイベントにぴったりです。

着方のポイント
冬は寒さ対策が重要です。 着物の下に防寒着を重ね着したり、ショールをつけるなどすると保温性が増します。 また、足元には足袋(たび)を手厚いものに変えるなど、冷え対策をしっかりしましょう。見た目の美しさだけでなく、快適さを両立させることで、冬の寒さの中でも楽しめる着物スタイルを実現できます。

外で紫色の着物を着た女性

着物を着て家族と初詣をする女性

冬におすすめの着物と柄

まとめ

着物の季節感を楽しむ贅沢
四季折々の美しさを反映させた着物を身に着けることは、日本ならではの贅沢な楽しみです。日本の四季の美しさがあります。それぞれの季節ごとに異なる素材や色、柄が存在し、その選び方や着方には季節を感じ、イベントに合わせた着物選びを心がけてみて下さい。

四季の移ろいを感じながら、その時々の自然の美しさを纏うそんな着物の魅力を、ぜひあなたも体験して、着物ライフを楽しんで下さい。

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